【続】配属0日目の新卒がslackに匿名で投稿できる機能をつけた話。

はじめに

お久しぶりです!TMです。 以前書いた、「配属0日目の新卒がSlackに匿名で投稿できる機能をつけた話。」という記事の続編です! Slackに匿名投稿機能をつけて、その後どうなったかを書いていきます。

キーワードは、「良いチームであるために」です。

前回の投稿のおさらい

  1. 社内で意見や不満を言いたくても言いづらい人がいる、という噂があるが本当だろうか?

  2. 発言の内容と発言者が結びついてしまうことが原因の1つなのかもしれないぞ...。

  3. Slackに匿名で投稿できるappを作って検証してみよう!!

そして、実際に運用を始めたところまでが、前回の投稿でした。

運用してみて

細かいアップデートを何度か繰り返したものの、最終的にサービスは停止することになってしまいました。

アイコンを猫にしていたので、なんだか自分のペットが突然事故に遭って帰らぬ猫になってしまったような気持ちです。...合掌🙏

ちなみにどんな投稿があったか

Slackの連携appの利用に対して・・・

福利厚生に対して・・・(この投稿がきっかけで直していただき、今は音もせず快適です!)

社内の仕事環境に対して・・・(すぐに対応していただきました!)

なぜ運用を停止したか

突然ですが、良いチームとは?

Googleのこちらのページで、「効果的なチームとは何か」について述べられています。 その中で、今回注目したいのは、 心理的安全性です。

心理的安全性について、Googleは以下のように述べています。

「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。

(中略)

心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。

つまり、心理的安全性とはチームメンバー同士が相手を信じられるかどうかということです レバレジーズでも、チームで事業を進めていくにあたり、お互いが信頼できる状態にあるかはとても重要視しています。

匿名投稿をしてみてのメリデメ

良かった点

  • 発信すらされなかったかもしれない発言を、発信するところまで押し上げることができた。
  • オープンSlackを利用したことによって、社内で起こっていることを共有する場にできた。

悪かった点

  • 匿名であることで、会話から対等性が失われてしまった。(建設的な意見交換ができていなかった)
  • それ直接言えば良いのでは...?という内容が匿名で投稿されることで、無駄に大ごとになってしまった。
  • なんてことない内容でも、匿名で投稿されることによって、何か不穏なニュアンスを感じ取ってしまう副作用がついてしまった。

心理的安全性を踏まえて

本件を振り返り、匿名投稿を心理的安全性の観点でまとめると、

  1. 匿名による対話によって友好的な関係性は構築されない
  2. 投稿を見ている人への不安感を助長してしまう

という問題があります。よって、良いチームであるために、利益よりも不利益が大きいと判断したため、匿名投稿機能を廃止することにしました。

これからどうするか

これから取り組んでいかなければならないことは2つあります。

  1. 実名でも気軽に意見を発信できる仕組みづくり

    • 匿名投稿のサービスを止めただけでは、ただ前の状態に戻っただけです。匿名で投稿されていた内容を見ると、言いたくても言えないことがある人は実際におり、まだ潜在的にも存在していると考えています。そのため、匿名投稿に代わる発信方法を考えていかなければなりません。
  2. 組織の心理的安全性そのものをあげる

    • 匿名投稿の発端は、「意見や不満を発信することによって、何か不利益を被ってしまうのが怖いのではないか」ということでした。この状態は、すでに心理的安全性が担保しきれていないことを表しています。意見を発信できる仕組みを整えると同時に、間違いなくアプローチしていかなければいけないポイントです。

なかなか難しいですが、少しずつ改善していきたいです。

まとめ

自分が入社して初めて作ったプロダクトが、3ヶ月でクローズしてしまって複雑な気持ちはありますが、今回の件を無駄にせずに成果を出すことで、弔いにしたいなと思います。

また、弊社のケースでは、匿名投稿はデメリットが大きいと判断しましたが、組織にいる人の性質や組織の規模、フェーズなどの変数次第ではメリットが大きくなりそうです。もし、同じような取り組みをしていて、順調に運用できているという団体があればぜひ事例を伺いたいです。