はじめに
こんにちは。
新卒でレバレジーズにエンジニアとして入社し、HRTech系SaaS NALYSYSで開発をしている、矢野と申します。
最近、流行ってきているAI議事録ツールを、企画立案から設計、開発、リリース、社内展開まで約4ヶ月で完了させました。
右も左もわからない新卒エンジニアが、色んな苦難や葛藤と戦いながら、爆速で企画立案から社内展開まで成功させた軌跡をお伝えします。
この記事に書かれていること
- 新卒エンジニアが1人でプロダクトの企画から社内営業までを一気通貫でやり遂げた奮闘記
- オールインハウスの現場で、新卒エンジニアが多種多様な職種の人と関わり成長していく過程
この記事を読むとわかること
- 弊社の新卒エンジニアはこんなことやってる
- 新卒エンジニアが新規プロダクトのリーダーに任命されるまでの軌跡
- とりあえず1年目はがむしゃらに仕事してNo.1目指すべきだと思います
新人賞を取りたい!
ことの発端
私の入社直後、1年目のエンジニアの先輩が全社総会で新人賞に輝きました。
半年間で、新卒採用管理システムのフロントエンドでは58画面/62画面を実装、バックエンドでは68本/94本のAPIを実装し(2024/3/5時点)、特許も出願するという半端ない成果を出していました。
私も先輩を超える成果を出し、あの舞台に立ちたいと考えるようになりました。
周りの目
そう考えてからすぐに行動できたわけではありません。
「新人賞を取りたい!」と言ったら周りは何を思うのだろうか、行動に移しても新人賞を取れなかったらどうしよう、とかそんなことが頭の中をうごめいていたからです。
しかし、エゴグラムでいう拡散が極めて高い私は、そんな考えより、「楽しそう!とりあえずやってみるか!」という気持ちの方が強く、気づいたらシステム本部長にDMを送っていました。
高すぎるハードル
何はともあれ、賞レースは比較なので、過去にどんな成果をあげて新人賞に選出されているのか調査しようと考えました。
社外秘のため調査結果は記載できませんが、新卒が1年間で成し遂げられるレベルをはるかに超えた成果でした。
言い訳かもしれませんが、特にエンジニアはすぐに成果が出る職種ではありません。
さらに、エンジニア研修と並行してそれらに匹敵する成果を出さなければなりません。
そのため、成果がすぐに出しやすい営業に比べてかなり厳しい戦いになることは覚悟しました。
心強い仲間の登場
営業やエンジニア、PdM等幅広い経験をお持ちということで他職種と戦う賞レースにおいて、的確なアドバイスが期待できると、システム本部長がHRテック事業部長を紹介してくださいました。
ということで、仲間というと語弊がありますが、事業部長が伴走してくださることになりました。
HRテック事業部長の初めの印象は、「筋肉マンすぎて怖い」でした。
しかし、話していくうちにユーモアがあり、真剣に私に向き合ってくれていると感じるようになりました。
まずはNo.1取るための計画だな
過去の受賞者の成果や、全社投票や各事業部の部長陣の会議によって受賞者が決定することから下記の要素を満たすような成果を出す必要があると考えました。
- 事業部内や新卒内で1位をとっている
- 全社の年間テーマ(次代を、創る。土台を、創る。)に沿った成果を出している
- 全社に影響を与える成果である
そして、私は売上をあげるより、工数削減の方で成果をあげようと考えました。
過去の受賞者の具体的な利益を算出し、それを上回る工数削減ができれば、成果がでていると判断できるのではないかと考えました。
そのため、全社員が使うシステムを開発し、営業の利益を上回る工数削減を達成することを目標にしました。
さらに「次代を、創る。」ために、最近流行りのAIを取り入れることも考えました。
後は、企画して、設計して、開発して、社内営業して、全社展開すれば私の勝ちだと、これが私の計画です。
しかし、ここからが苦難の始まりなのです。
初めての経験で大きな壁にぶち当たる
何を作るか決めることから始めました。
しかし、私がプロダクトを0→1で生み出した経験は0です。
とりあえず、会社に落ちている課題を知るために、本部長にヒアリングに行きました。
- 人事評価ツールが使いにくい
- オフィスシュミレーションが欲しい
- 全社総会をオンラインでみる時にネットワークが遅い
他にも多くの課題が出てきました。
しかし、どれも自身がワクワクするような施策ではありませんでした。
それからというもの、部長陣やリーダー等、職種問わず壁打ちをするもアイデアは何も浮かばずに時間だけが過ぎていきました。
時間も半年しかないのに、こんな初めの段階で足踏みをしている自分に苛立つことも多々ありました。
AI議事録ツール Yanoniの誕生
伴走してくれている方とは、1週間に1度30分程度話していました。
そこで、「まずは目の前の人の課題を解決するのが良いんじゃないかな」と助言をいただき、さらに弊社は営業職が多いので、インパクトを出せる営業の方に絞ってヒアリングを続けました。
まずは、リーダーから新卒問わず、事業部も様々で偏りのない標本をとり、業務フローを洗い出しました。
その中で、商談や面談、面接、議事録の作成、お礼メールの作成に最も時間がかかっていることに気づきました。
さらに、この業務はどの事業部においても発生している工数なので、インパクトも大きいと考えました。
面談や面接の内容をAIやシステムの力で議事録、お礼メールを自動生成するプロダクトを作ることにしました。
ここでやっとAI議事録ツールの開発が決定しました。
残り4ヶ月。。。
爆速での設計・実装
特に設計で考えたのは、どの音声認識APIを使用すれば、高精度の文字起こしが可能かということです。
そのため、高精度と言われているAPI10個を全て試して、最も高精度の音声認識APIを選定しました。
そのおかげで、他社のサービスよりも精度が良いと言われることが多々あります。
設計は3週間で終えました。
こんなに爆速で設計できたのも多くの人に助けてもらいました。
システム本部の様々なチームに直接FBをもらいに行って、設計をしました。
実装に関しては、最初から要求を全て満たそうとすると、ユーザーに価値を届けるのが遅れるため、まずは、自身が所属する事業部が使える仕様にして実装しました。
今考えれば、フロントエンドもバックエンドも無茶苦茶なコードを書いていました。反省です。
1.5ヶ月で1回目のリリースを果たしました。
複数回のリリースで全社員が使用できるツールへ
初回リリースは完了しましたが、問題だらけです。
まずは他事業部でも使用できる仕様に変更しました。
UI/UXにおいても使いにくいという声が多く寄せられたため、早急に対応しました。
2回目、3回目とリリースを重ね、ついに全社員が使用できるAI議事録ツールへと成長しました。
プロダクトが完成したからロゴが欲しいよねということでこの記事のトップにある画像をロゴにしました。
自分の顔です。
プロダクト名も「Yanoni」にしました。
由来は下記です。
- 開発者の名前
- You’re Absolutely Not Overlooking Necessary Insightsの頭文字(必要な情報を見逃すことは絶対にない)
自分のプロダクトなので、自分でロゴ作ってプロダクト名まで決められるのは良いですね。
多くの人から自己主張が強過ぎると言われました。
普通のプロダクトじゃ面白くないですよね。
これが自分らしさ全開のプロダクトです。
初めての営業
伴走してくださっている方の繋がりで他事業部のリーダーや部長と商談できる機会をいただきました。
とりあえず、アジェンダとYanoniを使用している動画を用意して商談に挑みました。
初めての商談は全然ダメでした。
クロージングがうまくいかず、中途半端な感じで終了しました。
しかし、機能自体は気に入ってくださったみたいで導入が決定しました。
その後は、経営企画の方と戦略を練って、営業資料作成したり、使い方ドキュメントを整備したり、ユーザーがお問い合わせできる場所を作ったり、できる限りのことは行って商談を進めていきました。
商談を重ねるごとに、質疑応答やクロージングもスムーズになりました。
結果、様々な事業部でYanoniが使われることになりました。
AI議事録ツール Yanoniの開発を終えて
私の職種って何?
企画、開発、営業、カスタマーサクセス全てを経験しました。
「あれ?自分の職種って何なんだろう?」と思いましたが、私にとってはそんなことどうでも良いです。
開発したサービスでより多くの人に価値を届けられるのであれば、何でもやるべきで、職種を跨いで行動するべきだと思っているからです。
新人賞は受賞できたのか
結論、受賞できませんでした。
とても悔しかったですが、めちゃくちゃ凹んだわけではありません。
その理由は、多くの人に「助かった」「ありがとう」といった感謝の気持ちをいただいたからです。
自身が生み出したサービスで多くの人に影響を及ぼし、感謝やフィードバックをいただけて本当に幸せでした。
総括と今後
普通の新卒ではできない経験をたくさんした
新卒で入社したエンジニアに1人で企画から開発、営業まで経験させてくれる会社ってあるんですかね。 プロダクトを企画する経験、0→1で開発する経験、商談をする経験、ユーザーから直接きたフィードバックを自身で改修する経験、全て1年目で経験しました。
新規プロダクトのPdM兼開発者を任された
今は、HRTech系SaaS NALYSYSで人事評価管理システムのPdM兼開発者としてリーダーっぽい動きをしています。
こんな重大なポジションを任せてもらったのも、周りを適切に巻き込んで自身が企画したサービスを最後までやりきったからだと思っています。
次は人事評価管理システムを爆速リリースして、営業して、さらに多くの人に価値を届けたいです。
最後まで読んでくれた方へ
新卒エンジニアとは思えない、多くの経験をしました。
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