TSKaigiを立ち上げて、登壇もしてきました

はじめに

TSKaigiプラチナスポンサーであるレバレジーズ株式会社のテクノロジー戦略室室長 & 一般社団法人TSKaigi Association 代表理事 & TSKaigi2024 Speakerの竹下です。
TypeScriptの言語カンファレンスであるTSKaigi2024が5月11日(土)に中野セントラルパークで開催されました。基調講演にはMicrosoftのTypeScript Product ManagerであるDaniel Rosenwasser様を迎え、37名の登壇者、会場での参加者約400名、オンライン参加約2000名の、大規模イベントになりました。

この記事では、私がTSKaigiを立ち上げた経緯と、登壇者として発表してきた「Step by Stepで学ぶ、ADT(代数的データ型)、モナドからEffect-TSまで」について、紹介したいと思います。

TSKaigiとは

TSKaigiは、TypeScriptをテーマにした、技術カンファレンスです。俗に言語カンファレンスと呼ばれる、特定のプログラミング言語を扱ったカンファレンスで、有名なものではRubyKaigiやPyCon、PHP Conference、ScalaMatsuriなどがあります。(ちなみに私はScalaMatsuriの開催にも理事として関わっていたりします)
運営は、私を含む理事4人を中心に、総勢45名ものボランティアスタッフによって行われました。

ここがすごかったよTSKaigi

初開催でいきなり2400名規模!

技術カンファレンスとしては、日本でも大規模に分類されるイベントです。会場には約400名、オンラインで約2000名の方にご参加いただきました。TypeScriptのイベントとしては現時点で日本一の規模だと思います。初開催でノウハウがない状態から、大きなトラブルもなく無事にイベントを開催できたのは素晴らしいことで、運営を手伝ってくださったスタッフの方々の頑張りの賜物です。感謝の気持ちでいっぱいです。

基調講演はMicrosoft TypeScriptのProductManagerのDaniel Rosenwasserlさん!

言語の開発者というものは普段あまり意識しないかもしれませんが、DanielさんはTypeScript自体を長年にわたって開発してくださっている方です。また、JavaScriptの標準仕様を策定する団体であるTC39にも関わっておられます。TypeScriptやJavaScriptを使うエンジニアにとっては、足を向けて寝られない方です。そのDanielさんが、TSKaigiの基調講演を行ってくれました。

レバレジーズ株式会社を始め38社が協賛!

レバレジーズも最上位のプラチナスポンサーとして協賛しましたが、プラチナスポンサー、ゴールドスポンサー、シルバースポンサー、ブロンズスポンサーをはじめ、コーヒー、ビール、リフレッシュメント、イベントツールなどの特殊スポンサーを含め、合計38社に協賛していただきました。スポンサー募集期限後に開催を知って協賛できなかった企業様も多数おられたので、来年は周知を徹底し、TypeScriptを盛り上げてくださる企業様を増やしていきたいです。

立ち上げ経緯

コミュニティの盛り上がりが、人気に比例していない

TypeScriptの人気はコロナ禍中にもどんどん高まり、開発者の数も増え、使用範囲もフロントエンドに留まらず、バックエンド、インフラ、AI/ML、IoTと非常に幅広くなっています。しかし、私個人の感想にはなりますが、TypeScriptといえばこの人という存在や、日本発のOSSライブラリは、人気や開発者数に対して少ないと感じていました。また、コミュニティ活動も行われている方は数多くおられましたが、その方々が大々的に知られる機会もあまり無いと感じていました。

コミュニティの核となるイベントを作る

TypeScriptの言語カンファレンスは、コロナ禍前にTSConf JPが開催されていましたが、その後中断してしまい、日本では大規模なイベントが開催されていない状態でした。コミュニティが盛り上がらない原因として、コロナ禍も影響し、中核となるイベントやコミュニティがなく、交流の輪が広がっていかないことが挙げられます。
そのような状況の中で、TSKaigiを開催することで、TypeScript開発者に成果を発表してもらう場を提供するとともに、TypeScriptコミュニティの皆さんにどんな人がいて、どんな使い方をされているかを知ってもらう場を提供できると考えました。また、TSKaigiに参加してもらうことで交流が生まれ、そこから交流が続くことでTypeScriptコミュニティ全体の活性化につながると考えました。

団体としてコミュニティの活性化を継続

また、単発イベントではなく継続開催することが、TypeScriptコミュニティの継続した発展に繋がると考え、同時期に同じことを考えていた他の理事と共同で一般社団法人TSKaigi Associationも設立しています。来年以降の開催や、サブイベントの開催も行っていこうと思っていますので、是非この記事をお読みの皆さんご参加下さい。

登壇内容

また、賑やかしのためにセッションの応募したら当選していたので発表も行ってきました。以下が発表スライドです。

スライド

おまけ

この発表では、Effectの導入する意義に焦点を当てて解説していますが、実際の運用では一歩踏み込み、Effectによる関数の細粒度化と副作用分離によるアーキテクチャーレベルの設計も行っています。機会があればそちらも発表したいと思います。

おまけのおまけ

代表理事として、開幕の挨拶もしたのですが、演台の前からはなれて動きながら喋ってたら演台にもどれって怒られました(笑)

オープニングトーク

P.S. 書いててレバレジーズ株式会社のエンジニアとしてなのか、TSKaigiの代表理事としてなのかよくわからなくなってきて、ちょっと混乱した文章になっていますがご容赦下さい。また、TSKaigiの代表理事としての思いなどは、改めてTSKaigiのブログで書きたいと思います。

We are hiring!!!

レバレジーズ株式会社では一緒にサービスを開発してくれるエンジニアを幅広く募集中です。
TypeScriptで開発するだけでなく、コミュニティ貢献もしていきたいという人もウェルカムですし、TypeScriptに触ってないけど興味あるよという人もウェルカムです。 もしご興味ありましたら、こちらのページからご応募ください。